
「卵を割らなければ、オムレツは食べられない」
先日、昭和の大女優 岸惠子さんが他界されましたが、謹んでご冥福をお祈り致します。R.I.P. (Rest in Peace) Madame Keiko Kishi
このフレーズは岸惠子さんの人生を象徴しています。
岸惠子さん自身が2021年に出版した自伝『岸惠子自伝――卵を割らなければ、オムレツは食べられない』の副題にもなっています。
この言葉を岸さんに教えたのは、後に夫となるフランス人の映画監督・医師イヴ・シァンピ(Yves Ciampi)でした。
1956年、岸さんは日仏合作映画『忘れえぬ慕情』でシァンピ監督と出会います。
シァンピさんは岸さんに「世界にはいろいろな国や生き方がある。ヨーロッパやアフリカを一緒に見てみませんか」と誘います。
そのとき、人気絶頂の女優として日本で築いた生活を捨てることに迷う岸さんに、シァンピさんが伝えたのがフランスの諺
「卵を割らなければ、オムレツは食べられない」
On ne fait pas d’omelette sans casser des œufs.
だったそうです。
意味は単純な料理の話ではなく、
「何か新しいものを得ようとするなら、いま持っているものを壊す勇気が必要だ」
という意味です。
日本語の「虎穴に入らずんば虎子を得ず」に近い意味を持ちますが、この言葉は元々は中国の古事から来ていますので、純粋に日本語で同じ表現をさがすと
「身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ」
現代の言葉で探すと
「当たって砕けろ」ですね。
英語なら
No venture, no gain
いずれも安全な場所にいるだけでは新しい変化や成果は手に入らないという教えです。
改めて英語、フランス語、中国後、そして日本語の表現を並べてみますと、一番大胆な「虎穴に入らずんば虎子を得ず」と比べて、フランス語の「卵を割らなければオムレツは食べられない」は一番上品で、しかもフランスらしい表現ではないでしょうか。
こちらはシャンピさん、岸さん、お二人の間に生まれた1人娘の昔の家族写真です。























