
serendipity セレンディピティとは「偶然の幸運な発見」や「思いがけない素晴らしい出会い」を意味する英語です。
この言葉は、18世紀のイギリスの作家ホレス・ウォルポール(Horace Walpole)が1754年に作った造語で、ペルシャのおとぎ話『セレンディップの三人の王子(The Three Princes of Serendip)』に由来しています。
この王子たちは、旅の途中で偶然から予想外の知識や発見を得る能力に長けていたことから、serendipityという語が生まれました。
serendipityを原題とした2001年公開されたアメリカ映画があります。この映画では、男女が偶然出会い、再会を信じて「運命」にすべてを委ねるというロマンティックな物語が描かれています。物語全体が「セレンディピティ=運命の偶然の出会い」の概念を象徴しています。
『セレンディピティ』(原題:Serendipity, 2001年 アメリカ)
監督:ピーター・チェルソム
主演:ジョン・キューザック、ケイト・ベッキンセイル

科学やビジネスの分野でserendipityが発生した実例を3つご紹介します:
1. ペニシリンの発見
1928年にアレクサンダー・フレミングが実験室で放置されていたシャーレに青カビが生え、周囲の細菌が死滅しているのを偶然発見しました。これが世界初の抗生物質「ペニシリン」の発見につながり、感染症治療に革命をもたらし、数百万人の命を救いました。
2. ポスト・イットの誕生
3M社は強力な接着剤を開発する予定でしたが、偶然「弱い接着剤」ができてしまいます。これを活用して「何度も貼ってはがせるメモ」が生まれ、世界中で使われる大ヒット商品となりました。
3. 電子レンジの発明
1945年にパーシー・スペンサーがレーダー機器の前に立っていたとき、ポケットに入れていたチョコレートが突然溶けたことに気づき、そこから「電子レンジ」が発明されました。
